ダイハツの残クレ(残価設定クレジット)を利用すると金利分、支払総額が高くなります。繰上げ返済した場合でも金利はそのままです。
しかし、車の残価以外の価格を分割で支払うため月々の支払は安くすみますし、残価設定クレジットのおかげで3〜5年で新車に変えることも可能です。
ダイハツの残クレ、ワンダフルクレジットはお得なのかどうか、残価設定クレジットのメリット・デメリットを見ていきましょう。
Contents
ダイハツの残価設定クレジット(ワンダフルクレジット)の概要
ダイハツの残価設定クレジットはワンダフルクレジットとも呼ばれるサービスです。どのようなサービスなのか解説します。
車を借りるというイメージに近い
ダイハツの残クレは車の購入時に、まず支払い年数を決めます。そしてその年数後に残る車の残価を計算し、その残価を本体価格から引いた額を、支払うことになる仕組みです。
そして本体価格から残価を差し引いた支払い分の支払いが完了したタイミングで、利用者は以下の3つの選択肢からどうするかを決めます。
1. 新車に乗り換える
2. 車を返却する
3. 残価を支払って車を買い取る
3の選択肢を取らなければ、残価を支払う必要がなく、他の車に乗り換えたり、車を返却したりすることができます。そのため残価を支払うまでは車を借りているようなイメージに近いです。
なお購入時に設定された残価が変わることはなく、新車に乗り換える場合や車を返却する場合は本体価格から残価を差し引いたものを支払えば済みます。
しかし車両状態が購入時に定めた状態よりも悪い場合には、別途清算金の支払いが必要となることに注意してください。
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支払い回数は37回・61回
支払い回数は以下の3つの選択肢から選ぶことができます。
● 3年で37回
● 4年で49回
● 5年で61回
それぞれ、37回目・49回目・61回目の支払いは最終回となっており、残価を支払って車を書いとる場合と、別途清算金の支払いがある場合を除いて支払いの必要はありません。
1点注意するべきなのは、年数によって残存価額関わる点です。一般の自動車ローンの場合、100万円の車を5年で61回で支払う場合、3年で37回で支払う場合よりも毎回の支払い金額は3/5に小さくなります。
しかし残クレの制度のもとでは、そうはなりません。
例えば100万円の車を買うとします。
残価は年数を重ねるごとに下がるので、3年後の残価は50万円、5年後の残価は30万円としましょう。
3年の残クレ支払いをする場合、100万円から50万円引いた、50万円分を36回で支払うことになります。計算すると毎回の支払いは約13,800円です。
一方5年で支払う場合は、70万円を60万円で支払うことになります。計算すると毎月の支払いは約11,600円です。支払い期間が延びても毎回の支払い額はそれほど変わりません。
残クレを利用する場合には、残価の大きさによっては支払い期間を長くしても月の負担はそれほど変わらない可能性があります。一方期間を長くすることで余計な金利がかかるうえ、残価が小さくなるので注意しましょう。
金利は店舗次第で2.9%〜4%
残クレはダイハツのお店でも取り扱っていない店舗もあり、お店ごとの裁量が大きいです。金利も店舗次第で変わりますが、基本的には2.9%〜4%で設定されています。
一点注意して欲しいのは、金利は本体価格から残価を差し引いた分割支払い分だけでなく、残価にもかかっています。
銀行の自動車ローンには、以下のように比較的低金利なものもあります。
● ジャパンダ・ネットマイカーローン:1.90%〜2.850%
● 関西みらいマイカーローン:1.400%〜3.800%
● 横浜銀行マイカーローン:1.700%〜2.700%
● ちばぎんマイカーローン:1.300%〜2.550%
● 京銀マイカーローン:2.075%〜2.675%
マイカーローンなら三菱UFJ銀行のネットDEマイカーローンがおすすめ。
ダイハツの残クレの金利が2.9%〜4%の間をとって3.45%だとしましょう。5年(残価30%)の61回払いでで100万円の車を買うと5年間で、12.5万円の金利がかかります。
一方、ジャパンダ・ネットマイカーローンで金利2.375%で5年で購入した場合、金利は7万円ほどです。このように金利が残クレの金利は、安い自動車ローンに比べると高い傾向があります。
ダイハツの残価設定クレジットのメリット
ダイハツの残価設定クレジットには毎月の支払い額を抑えたり、交渉を有利に進めることができるというメリットがあります。
残価設定クレジットを利用することで本体価格を交渉しやすい
通常の自動車ローンを利用者が利用しても、ダイハツの利益にはなりませんが、残クレを利用することによって、支払った金利はダイハツの利益です。
さらに残クレを利用する場合、次の車もダイハツの車を選んでもらいやすいというダイハツにとってのメリットがあります。
そのため残クレはダイハツにとって利益になる支払い方法です。
そのため本体価格を多少値引いたとしても十分に利益になるため、本体価格の交渉に応じてもらいやすいというメリットがあります。
後述するように、金利のために支払い総額が高くなることもありますが、交渉によってはお得に買うことが可能です。
月々の支払額を抑えることができる
車がすぐにでも必要な状況にも関わらず、一括で購入するのはもちろん、通常の自動車ローンの分割支払いの難しいという状況もあるかもしれません。そんな場合にはダイハツの残クレは非常に便利です。
ダイハツの残クレで購入する場合、本体価格から残価分を差し引いた額を分割支払いするので、毎月に支払額は通常の自動車ローンを利用するよりも少なくなります。
そのため月々の支払額を抑えながら車を購入できるわけです。
3年や5年で新車に乗り換えることができる
ダイハツ以外の車を購入して、3年程度で買取業者に売るかディーラーに下取りしてもらって、新車に乗り換えることも不可能ではありません。
しかし車種によっては価値が下がってしまい、思ったよりも売却額が安く、新車に乗り換えるのが困難なケースもあります。
しかしダイハツの残クレ利用時に設定される残価は走行距離などの条件を満たせば、保証付です。
そのため返却時や新車に乗り換える時に、車の価値が下がっておらず、残価分はお金が浮きます。そのため3年や5年といったスパンで新車に乗り換えることも可能です。
通常のローンよりも低金利で済む場合もある
ダイハツのディーラーローンは約4.9%となっており、前述したように低金利の自動車ローンも2%以上の金利になることが多いです。
確かにダイハツの残クレの平均的な金利は2.9%〜4%ではありますが、金利は販売店ごとに異なり、しばしば1.9%金利の低金利キャンペーンを行なっています。
そのため低金利キャンペーンを利用することができれば、通常のローンを利用するよりも支払い総額が少なく済ませることも十分に可能です。
残クレに興味がある方は、低金利の残クレを提供している販売店を探してみることをおすすめします。
メンテナンスパックが無料になることも
ダイハツはワンダフルパスポートというメンテナンスパックを提供しています。ダイハツの新車を購入した方は、以下の2つの代表的なコースを含むいくつかのコースから選択可能です。
● ワンダフルパスポート54・56
5年間に必要になる点検や消耗品の交換をお得な価格で受けることができる。
● ワンダフルパスポート30・36
3年間に必要になる点検や消耗品の交換をお得な価格で受けることができる。
通常これらのコースは、数万円から20万程度するものです。しかし残クレを利用する場合、交渉次第ではこれらのメンテナンスパックを無料でつけてもらうことができます。メンテナンスをしっかり受けることで残価も維持できるので、便利です。
ダイハツの残価設定クレジットのデメリット
メリットがたくさんあるダイハツの残クレですが、支払い総額が高くなるなどのデメリットがあります。
支払総額が高くなる
通常のディーラーローンに比べれば金利が少なくなるケースが多いですが、金利が安い銀行の自動車ローンよりは金利が高い場合がほとんどです。
さらに、通常の分割払いであれば、支払いを重ねるごとに残存する支払額が減ると同時に金利も下がっていきます。
そのため5年ローンであれば、最後の1年の支払いでは、金利はそれほどかからなくなるものです。(元金均等返済の場合)しかし残クレの場合は、残価の分は支払いをしないので、3年〜5年間の支払い期間中ずっと金利がかかってしまいます。
さらに、残クレは繰り上げ返済しても、金利が下がることはないので、支払い総額が大きくなってしまう可能性が否定できません。
走行距離が長く残価が低い場合には最終回の支払が高くなる場合も
残クレを利用して支払っている場合、最終回の支払い時に車の審査があります。
そして曾鞏距離が一定よりも長かったり、傷があったりなどの車の価値が通常よりも下がっていると判断された場合、別途清算金が必要です。
傷や凹みなどを確認し減点が50点を超えると、それ以降減点1点につき1,000円ずつ残価が減っていきます。
基本的には、残価は販売店保証があるとされていますが、購入時に設定された残価よりも、最終回支払い時の残価が低くなっていることはあるので注意してください。
購入店舗でないと残価の対応ができない
ダイハツの残クレの条件が店舗ごとに異なることからもわかるように、ダイハツの店舗といっても日本全国のダイハツは一緒の会社ではありません。
店舗ごとに会社が異なります。そのため東京のダイハツで車を購入して残クレを利用して、3年後の返却時には大阪のダイハツで返却するということはできません。残クレの契約をした店舗まで行く必要があります。
ダイハツの残価設定クレジットの口コミ評判
ダイハツの残価設定クレジットの評判は良いものが多いです。
● ダイハツとトヨタの車の購入で迷っているが、残クレがある分ダイハツの方がお得なので、ダイハツにした。
● スズキとダイハツで同じくらいの車の残クレのシミュレーションをしたら、ダイハツの方が安かった。
しかし以下のような悪い評判もあります。
● ダイハツのお店に行ったら、やたらと残クレをおすすめされた。
残クレを利用してもらった方が、金利分儲かるため残クレを利用させようとする営業もいるようです。
タントX SAⅢの購入シミュレーション
ダイハツの人気車種のタントX SAⅢ(車両本体価格1,420,200円)を残クレと自動車ローンで購入した場合のシミュレーションをします。
ダイハツの残価設定クレジットで購入した場合
タントX SAⅢ(車両本体価格1,420,200円)を5年の61回払いの残クレで、金利4.9%で購入した場合、以下のようになります。
金利:208,195円
初回支払額:10,095円
月々支払額:6,900円×49回(ボーナス月/60,000円×10回)
そしてそのままタントX SAⅢを乗り続ける場合、460,000円の最終支払いが必要です。
自動車ローンで購入した場合
タントX SAⅢ(車両本体価格1,420,200円)を5年間の60回払いで、金利2.4%で購入した場合、以下のようになります。
金利:170,424円
月々支払額:14,517円×50回(ボーナス月/78,548円×10回)
もちろん自動車ローンで購入した場合には、最終回支払いはそのままの金額です。
このようにみると同じ車を購入しても、ダイハツの残クレを利用した場合は、月々の支払いが半分程度になっていることがわかります。
ダイハツの残クレは月の支払いを抑えたい方におすすめ
残クレのデメリットの部分で紹介した通り、残クレには以下のようなデメリットがあります。
● 支払い総額が高くなる
● 車の状態によって最終回の支払いが高くなる
● 購入店舗出ないと残クレの対応ができない
しかし上のシミュレーションでみたように、ダイハツの残クレを利用すれば、銀行の自動車ローンを利用した場合の半額程度に、月々の支払いを抑えることが可能です。
そのため少しでも月々の支払いを抑えたいという方には、残クレの利用をおすすめします。