ローコスト
長引く不景気からか「ローコスト」というものが“本格的な日本語”になったような気がします。「LCC(ローコスト キャリア)」、「ローコスト住宅」、「ローコスト生活」など「お金がかからない」というイメージをしっかりと持たせてくれる言葉として、浸透しているので す。EV車やハイブリッド車などのエコカーも含めて、軽自動車はローコストカーとでも呼ぶべきでしょう。まさに「お金がかからない車」というイメージのく くりとしてはうってつけです。
実際に軽自動車は車というカテゴリーで考えたら、初期費用、維持費、税金などで断トツのローコストカーになり ます。その費用はほとんどオートバイと差がないくらいですからね。そしてオートバイと比べてもその運搬性能や安全性はさらによいものだと思います。2輪よ りも4輪の方が安定しているに決まっています。人も荷物も運べる上にオートバイとは違い雨風の心配が要らないという“おまけ”つきです。
問題という問題は特に見当たりませんが、強いて言えば長距離ドライブ向きではないということくらいでしょうか。もともと“街乗り”を想定して購入している人 が多いと思いますので、あまり不平不満は聞こえてきません。とはいえ、20年・30年前の軽自動車に比べたら居住性もかなり向上しています。メーカーの努 力のたまものです。
ローコストな乗り物ということは、家庭経済を助けてくれることにも直結します。特に大都市部では軽自動車をもっと普及させるべきではないでしょうか。
初心者に易しい
軽 自動車の税金が安いのには理由があります。全長が3.40m以下、全幅が1.48m以下、全高が2m以下、排気量が660cc以下、定員は 4名以下で積載量は 350kg以下という条件があり、その条件をクリアした上で最高の性能を引き出せるようメーカー各社はしのぎを削っているのです。まさにこうした条件でも 快適に運転できるものにしているということです。
この税金の条件をクリアするために絶対にオーバーしないようにしているおかげか、ドライ バーには好影響が出ているのです。小さいため、ごちゃごちゃした街の中でも安心して運転することができる、ということです。街の中では全てが整備された広 い道路ばかりではありません。住宅地など電柱があったり、カーブミラーがあったり、自転車などが脇に止めてあったりするのです。このような障害物だらけの 街中でドライバーは運転しなければなりません。車両感覚に自信のない人には大変な運転環境です。
何事にも「初めて」ということはあります。 車の免許取り立ての人が運転するのも「初めて」という時があります。そんな初心者でもそのような街中の運転環境を克服していかなければならないのです。な にはともあれ、最初の場合は「ステップ・バイ・ステップで」ということを考える人が多いでしょう。そんな時に手助けしてくれるのが軽自動車かもしれませ ん。なにぶんにも大きな車ほど気を使う比率は高くありません。ごちゃごちゃした街中を慣れるため、練習を兼ねて中古の軽自動車などで運転を始めるのがお勧 めです。
使い道をはっきりさせる
車を買う際にぜひとも考えておきたいのは、自分のカーライフを想像することです。仕事で いろいろな所に行くのか、街中で買物に使うのか、人をしょっちゅう乗せなければならないのか、週末に遠くへドライブすることが多いのかなど、車に求める使 い方をイメージすることです。その結果「私はあまり車で遠くまで旅行に行くとは思わない。買物に使う程度」と考えるのであれば、小さな車で十分でしょう。
しっかりと見極めておかなければならないのは、一度の車の移動がどれくらいの時間かによってさほど大きな自動車を必要とすることもないからです。軽自動車は 30分程度のドライブでの窮屈感はありません。さらに街中で小回りが効きますのでキズやへこみを作る心配も少ないかと思います。
この文章を 書きながら思いましたが、初期費用、維持費、税金が安い軽自動車を所有して、もし家族で遠くへドライブするのであれば「レンタカーでも借りればいいのでは ないか?」ということです。普段の運転は買物や送り迎えなどの街乗りですから小さくて経済的な軽自動車の方がいいでしょう。遠乗りするのにはちょっと気が ひけますので、レンタカーを借りればすむことです。遠くへの旅行であれば鉄道や飛行機で現地まで移動して、そこからレンタカーという手もあります。
もし高級な自家用車を所有していたら「なにがなんでも」その車で旅行に行ってしまうと思います。これが「軽自動車しか持ってないから」と思うなら「電車とレンタカーでいこうか」ということになります。どちらが安くて楽か、よく考えるといいと思います。
将来の売却に備えて
軽自動車にかかわらず、車は時間がたつとどんどん価値が下がります。したがって車の寿命をしっかりと頭に入れて買うようにした方がいいかと思います。新車で 購入したのであれば5年ぐらい先を見越しておきたいです。中古車で購入したのであれば、その新車登録日をしっかりと把握し数年先を見越しておくべきです。
年数が車の価値を押し下げますが、もう一つは走行距離です。しかしながら「たくさん乗ると価値がさがるから」といって乗るのを控えると、車を持っている意味がほとんどありません。そこまで神経質になる必要はないでしょう。走行距離はあまり考えない方がよいかと思います。
走行距離よりも気をつけたいの、はやはり「キズものにしない」「いつまでもキレイにしておく」ということです。中古車ディーラーが査定をする際に、あまりに もボロボロな車を見れば印象がいいはずありません。何年も乗っているのに「大事に乗っているな」と思われた方がポイントは高いに決まっています。査定は機 会的に行われる部分が多気かもしれませんが、見るのは人ですから。
とにかく車を買った時点で、将来の売却のことを考えて備えておかなければ ならないということです。軽自動車でも新車であれば100万円以上かかりますし、中古車でも物によってですが50万円以上する買い物です。一般的には家を 買う次ぐらいに高い買い物です。車を売却する時に、次の車の原資を少しでも多く回収できる方が得策です。世の中お金持ちの人ばかりではありませんからね。